震度4の地震にばあちゃんパニックの巻。
こんにちは。寒いですね。ベンチコート最高。つまさきです。
先日、家族でお寿司を食べに行きました。
私は、圧倒的にサーモンが好きです。
既に予約を取ってあるお寿司屋さんへ向かう前に、おばあちゃんがパニックになった話、略してバーパニをします。ちなみに、祖母はまだボケていません。ただ、ひたすらにチャーミングです。
3分で終わります。
目次
あんなに遊び心のある父を見たのは初めてだった
私の父は公務員で、嘘をついたり、人を騙したりするような人ではない…と思います。
一方私は、人を騙すことが大好きです。隙あらば人を騙しているような気がします。「ごめん、あれ嘘だよ」というのが面倒で、騙しっぱなしにしていることもよくあります。
今回、父にも溢れんばかりの好奇心とイタズラ心があったのだと気付かされました。
全ては貧乏ゆすりから始まった
お寿司屋さんへ行こうと車に乗り込み、家族みんなで家の中にいる祖母を待っていました。祖母はいつも準備が遅く、家族を待たせます。
父「なんか揺れてないか?」
つまさき「寒いから私が揺れてるんだよ」
それを聞いた父の「ニヤリ」といった笑みが未だに忘れられません。
その時、私は確かに父の期待通りの娘だった
祖母が車に乗り込むなり、父はこう言った。
「地震だ」
祖母は「あら、ほんとだ。揺れてる。」と同意した。
私は、必死で揺らした。
今まで、決して親の期待に応えられるような良い娘ではなかったかもしれない。しかしその日、20年以上の恩をここで全て返すかのように必死で車を揺らした。
父の期待に応えたい!
その一心だった。
しばらく車を揺らした頃、祖母は「ニュースかなんかで震度いくつって出てこないかねえ」と尋ねた。
私は焦った。
出てくるはずはない。
これはただの私の貧乏ゆすりなのだから。
しかし、父の期待に応えるべく、地震を報道するアナウンサーを演じた。
言葉と共に、更に強く車を揺らした。
パニックになった祖母
祖母は、慌てふためいて車のドアを開け、外へ飛び出した。
「ばあちゃん、大丈夫だからお寿司行こう。時間に遅れるよ。」
そう言った私の台詞も聞こえないようで、鞄から再び家の鍵を取り出し、鍵穴に差し込んだ。
家の中に入ると、ボルトも驚くような速度で駆け回り、何か物が落ちていないかと確認した。さすがの私も、家は揺らせない。揺れていないはずの家を走り回りながら祖母は、「まだ揺れている。まだ揺れている。」と言っていた。
私の「あ、おさまった」の言葉で、祖母は我を取り戻したようで、「あら、ほんとだ。お寿司に行こう」と玄関へ向かった。
しかし、「一応物が落ちていないか回ってくる」と2階を確認しに行った。
悪気はなかった
今となっては、反省している。
あの嘘さえなければ、寿司屋の予約時間に遅れることなどなかったのだから。
そして、ばあちゃんに無駄なエクササイズをさせることもなかったのだから。
決して、悪気はなかった。私はただ、父の期待に応えたかっただけなのだ。
サーモンは美味しい
お寿司を食べながら、祖母は何度か「さっきの地震大きかったねえ」と言った。私はその度に「震度4だってよ」と答えた。
種明かしはできていない。家族みんなで、さっきの地震をあったことにすると誓った。
ひとつだけ心配なのは、祖母が近所の人との会話の中で、「あの日の地震は大きかったねえ」と今回の「地震」を話題にしてしまわないかということだ。
もう貧乏ゆすりなど、絶対にしない。