謝って済むならばいくらでも謝ることにしたよ。
最近、上司と上手くいっていなかった。
自分が悪かったわけではない。今考えても、どう考えても向こうが悪い。
ずっとモヤモヤしていた。
他のことも含めて、上司のことが大嫌いになった。
今までは、許せていた部分が許せなくなった。
顔も見たくなかったし、指示も正直聞きたくなかった。
それが態度に出ていたのだろう、書類の受け取り方についてその上司から注意を受けた。
「私はあなたの上司でしょう?上司を何だと思ってる?」
私が悪いのはわかっていたけれど、体が彼女を拒絶していて、あからさまにそれは顔に出ていたと思う。
謝るのは、すごく嫌だった。
元はといえば私が悪いんじゃない。
先に謝ってくれれば、こちらも謝ってもいいと思っていた。
私はかなり気が強い。
理解できないことに関して、形だけ謝ることのできるタイプではない。根がクソワガママ女だ。
学生時代から、教員など目上の人とトラブルがあることが多かった。
それでも、自分が本当に悪いと思えない限り、謝ることのできないタイプだった。
ここ、シンガポールへ来て、私は変わった。
自分が悪いと思えないことに関しても、全力で謝罪した。
ムカムカ、イライラしているのが嫌で、短い人生すり減らすくらいだったら全て謝って
「私の方が一枚上手だ」と思える状況を作ろうと思った。
それは本来の私とは異なる戦法だった。
でも、作戦実行後、自分の中でものすごくスッキリした。
これで良かった。
悔しさも何もない。最初から最後まで、正しかったのは自分だと、自分を認めることができた。
できるだけ、大切な人を、大切なものを、ちゃんと大事にしたい。
大切でない人に、時間を奪われたくない。
プライドを捨てても、幸せに生きることのできる道を探していこうと思った。