日本は憧れの国ではなく、助けを必要とする国なんだね
バギオ PINES chapisから徒歩30秒のカフェ
あるフィリピン人講師の先生が、「実はもうここでの仕事、今月で辞めるんだ」と話してくれた。
来月から、日本に英語を教えに行くらしい。
「なんで日本を選んだの?」と聞くと、
「わからないけど何かが私を呼んでる気がして。日本のために何かできることがある気がして。」
と言った。
私が日本を出た理由。海外への憧れと、それ以上の日本への嫌悪感。
この社会構造が変わるまでは、日本に戻りたくない。
このことを話すと、先生は「だからこそ。だからこそ私は日本へ行きたい」と言った。
大きな災害の舞台は、いつも日本。
世界からのイメージも、この通り。こんなに発展してるのに、天災ばかり起こる。
「(日本で天災がこんなに起こる理由は)なんでだと思う?」と聞かれたので
「私は神様とか信じてないけど、何かの罰だと思ってる。日本が変わるきっかけをくれてるんだと思う。日本はまだその機会を活かせてないけど。」と答えた。
先生が、涙を流した。
「あなたと同じことを思っていたんだよ。日本はこんなに素敵な文化を持っていて、技術も発展していて、経済的にも豊かで。でも、だけど、どこか貧しい。わからないけど、他のどの国よりずっと貧しい。そんな日本を何とかしたい。助けたい。」
泣きながら、こんな話誰にもしたことないのに、なんであなたには話せてしまうんだろう、と言いながら、話してくれた。
日本より明らかに貧しい国である(この表現は失礼に当たるかもしれないけど)フィリピンに住む人が、日本を助けたいと言う。
日本を、支援が必要な対象として見ている人がいる。
情けないと思いながらも、言っていることがものすごくよくわかる。
私もいつだか、日本を変えたいと言っていたことがあった。
いつの間にか、その気持ちは諦めに変わっていた。
この国を、日本を、何とかして変えたいと思うほど、愛してないんだろうと思う。
日本は病んでる。
助けを必要としてる。
数年後、日本を愛してくれる外国人の助けによる変化が見られたら、私ももっと日本を好きになれるかもしれない、と思った。
別れる前に、「あなたのために祈っていい?」と、先生は私に祈ってくれた。(敬虔なクリスチャン)
私にも本気で、変えたい、守りたいものができたらいいな。
きっとそれは、私の母国日本ではないのだろうけど。